沖縄県へのご皇室のまごころ
皇族が沖縄県を初めて訪れたのは昭和50年(沖縄県が本土復帰をして3年)
無念にもご病気になられた昭和天皇のご名代として当時の皇太子同妃両殿下(上皇、上皇后両陛下)が訪問された。
沖縄県の本土復帰を記念して開催された「沖縄国際海洋博覧会 開会式」にご出席。
陛下が海洋博の跡地に“おもろそうし”に詠まれた植物を植えることを提案された。
(※現在も「おもろ植物園」として開園されている。)
“おもろそうし”とは?
沖縄(琉球)の古い歌謡集。「万葉集」や「古事記」と同じく、沖縄文化精神世界の基盤といえる。
上皇后陛下の記者会見での御言葉からは沖縄県へ寄せられている陛下のまごころが伝わってくる。
【昭和62年の記者会見】
沖縄に関心を寄せられたきっかけについて以下のように御答えなさっています。
記者)
「おもろそうし」を勉強されるなど並大抵のご関心ではないかと思われますが。
皇太子殿下)※現上皇陛下 沖縄の復帰に当たり、沖縄の人々を迎える本土の人々にとって、沖縄の歴史と文化を理解することが大切だと考えたことが大きな理由です。沖縄の歴史とか文化が沖縄の人々だけに知られているのではなく、日本の歴史や文化の一部として本土の人々にも共通して知られていることが望ましいと考えたからです。
【昭和50年 お誕生日前会見】
皇太子殿下)※現上皇陛下 「気になるのは、沖縄には他の地域と違った歴史、文化があるのに、学校教育の中にほとんどそれが入っていないことです。将来学校教育の中に入れるべきだと思います。
沖縄の歴史は心の痛む歴史であり、日本人全体がそれを直視していくことが大事です。避けてはいけない。」
【平成5年歴史天皇として初めて沖縄を行幸された際のご感想(一部抜粋)】
天皇陛下)※現上皇陛下 「美しく再建された首里城を訪問しましたが、この歴史的建造物が県民の協力と関係者の努力とにより綿密に復元され、琉球時代の歴史と文化をよみがえらせたことを喜ばしく思いました。」